9/4にリリースされるEX-Cのnewミニアルバム “STILL” の発売前に先行して、バンドにゆかりのある界隈のキーマンたちにアルバムレビューを敢行!よくありがちな、借り物の言葉のような一言コメントなんかじゃ愛が伝わりきらない、ということで少し長めのテキストを依頼。

音源のレビューはもちろん、各人のEX-Cへの思い入れも含めて「ラブレター」ともいえるような内容が続々と届いている。今回はまずTHE DISASTER POINTSの沖瀬、EDGE OF SPIRITのSHO、そしてFIGHT IT OUTのYANGという東西を代表するパンク/ハードコアバンドのフロントマン3名によるレビューをご紹介。今後もリリースに向けて様々な人選のレビューが上がってくるので乞うご期待といったところ。ぜひ読んでいただき、音源への期待を膨らませていただけたら本望である。


■THE DISASTER POINTS:沖瀬

大阪のSTREET PUNK “THE DISASTER POINTS” のVo.Gt.沖瀬と申します。

若かりし頃、パンクよりもロカビリーやサイコビリーの仲間とつるむ天邪鬼なガキだった私は、かつてアメリカ村にあったPIPE69というライブハウスでEX-Cに出会いました。
畑違いのシーンにいた私は、「大阪にこんな格好いいハードコアバンドがいたのか」と心底感動したのを覚えています。
気付けばあれから12年。エロさとタフさに磨きがかかり、脂も乗り倒した今のEX-Cは名実ともに大阪の誇りになりました。

そんなEX-Cの新しいミニアルバム『STILL』がこの度リリース決定!!
どうしても一足先に聴きたくて、今回この文章を書かせてもらう条件で音源の入手に成功した次第です。
なのできちんと文章でこの音源の素晴らしさを伝えないといけないのですが、私は音楽の良さを文章で伝えるのがめちゃくちゃ苦手です。
なのでEX-Cというバンドの良さを知ってもらう役を果たせたらいいなと。
しかしピーキーな事を書くので、失敗したら本当にすいません(笑)

今の時代、あれがダメだのこれがダメだの、モラリスト(笑)の皮を被ったただのアホが大量生産され、音楽の世界にもそのアホの波が押し寄せてきております。
我々の関わるアンダーグラウンドにも少なからずその影響は出ておりまして、柄が悪い、煙草を吸うな、声がデカい等々、あれこれ後ろ指を指される始末。
バンド側も素行を気にしたり、大人しくなったり、いい子ちゃんになっていく悪循環。
パンク、ハードコアがお行儀悪くて何が悪いねんって話なのですが、それが時代錯誤なのでしょう。

知らんけどな。

EX-Cは今に至るまで何一つブレることなく、徹底して踊れる曲を書き続け、馬鹿デカい声でシンガロングをし、博打を打ち、お姉ちゃんと遊び、ここに書けない悪さに精を出し、120点のバンド活動を続けてきました。
そんなバンドの新譜が面白くないわけないでしょう。

この文章を見て「うわぁ」と思ったあなたと私は仲良くなれないのかもしれませんが、EX-Cはそんな人達すら躍らせるパフォーマンスと熱狂を持ったバンドです。
ぜひこの新しいミニアルバムを入手して下さい。

そして、この最高の音源を聴いて、いつもよりちょっと斜に構えた感じでライブハウスに来て、床で煙草の一本でも消してくれたら、俺達まだまだ無茶できます。

どっちみち無茶するけどね。STILL ALIVE!

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■EDGE OF SPIRIT:SHO

EX-C
9/4発売のmini album
”STILL”

レビュー書いて欲しいというオファーをUM8からいただきまして
みんなどんな感じで書いてくんのかなーとか意識しつつ
俺は俺の書けることを!ということで好きなように書かせてもらいます。

UM8とは付き合いは古いんですが(1998年ぐらいからかな?)
自分はあまり記憶にないんですが、当時の私は相当性格が悪かったらしくUM8に冷たい態度やひどい言動を食らわせてたみたいで、
今になってそれをネチネチと小出しにされるわけですよ。
どんな長い付き合いになるかわからないので
若気の至りで突っ張って人を傷つけたりするもんじゃないっすね。

当時大阪といえばHARDCORE BREAKOUT CREWが先頭を突っ走っていました。
今もSECOND TO NONEやT.J.MAXXが活動されていますが
EX-Cは当時、その系譜を引き継ぐ若手のBAND、というイメージが強かったです。

年月が経ち
EX-C自身もメンバーチェンジを経て
ブレないところと変化したところがありつつ
いい感じで歳食ってきて

”遅れてきたルーキー”
自由な中堅バンドの地位を確立し
学校でいうところの帰宅部よろしく放課後に全てのエネルギーを使う
決して肩に力を入れすぎない本気の遊びを体現する大人になってきました。

前述したように
俺とUM8はビミョーな距離感があったのですが
少しずつ雪解け(喧嘩してたわけじゃないよ)距離感が詰まってきた昨今
きっとUM8やギターのハジメは
”SHOさんが変わった”
っていうと思いますが
俺から言わせると
お前らが変わったんだよ

自分たちの音で
自分たちの踊り方で
本気で踊れる、汗のかけるBANDになったんだよ

大阪だから
HARDCOREだから
今思えば当時、形だけの連帯感でカタにハメられそうになっていた俺たちみんなは
時間をかけて自分の音を磨いて
山も谷も超えて
お互いの姿勢や人間、人となりを今やっと認めあえるようになったんだ

年輪が重なって”人”の厚みが音に現れるようになったんだよ俺たちは

そんなEX-CのNEW SHIT “STILL” は
煙たいフロアで踊れる最高の音源に仕上がっている

もしお前が右見て左見てからじゃないと踊り出せないなら
EX-Cの音源聞いてLIVEに来ればいい
自分の踊り方はそこで見つけることができると思うよ

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■FIGHT IT OUT:YANG

この度はミニアルバム発売おめでとうございます!

EX-Cに関してはひいき目で見ないということはほぼ無理なんすよね。
2006年あたりにFIGHT IT OUTを大阪に初めて呼んでくれたのもEX-Cでした。
関係が始まったのはHARDCORE BALL6のコンピで一緒になり、レコ発で話したのがきっかけでしたね。
それからお互いに呼び合い、スプリットもリリースしたり、ただ遊びに行ったり、今に至ります。

EX-Cといえばやっぱりここ最近のSMD CREWっすよね。
最初はDMSつってたから、それはマズイだろと思って、逆にしてSMD(SUCK MY DICK)にしたら?とUM8に電話中に提案したのは俺です。
そのSMDですが、側から見てても楽しそうだし参加するとマジで楽しいんです。
最初は冗談だろっ?って企画もマジで遂行してしまうし、だんだん人を巻き込んでいって気付いたら大阪のハードコアの1つの大きな流れになってしまっているのが痛快でなりません。

それもやはりUM8の人望が人を引き寄せ、引き寄せられた奴らがさらにめちゃくちゃするという最高の環境が出来上がっているなと感じますね。
俺も大阪に遊びに行った時はいつもミナミをすっ飛ばして八尾に行くほどUM8に魅了されています。
これからも何にも媚びずにやらかしていってほしいです。

今回のミニアルバムSTILLですが、今までのオールドスクールなNYHCスタイルから更に引き出しを開けた感がありますね。
突っ込むというより聴かせる感じが増していて新しいEX-Cが感じられますね。
でもやっぱりUM8のボーカルが乗るとナニワスタイルになるんですよね。
現メンバーだからこそ成せる技っすね。

EX-Cの現メンバーもやはり強者が集まっていますね。
それぞれに想いを書こうと思います。

ミズタ君、演奏中に自分の副流煙を吸いすぎないように気をつけてくださいね。
モッくん、ブカつき関係気をつけてくださいね。
てっさん、T.J.MAXX頑張ってくださいね。
ハジメ、ブカると相づちだけになるのはやめてください。

以上です。


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様々なアクションで全国的に求心力を高め続けているハードコア/パンクレーベル『FRONT OF UNION』の急先鋒として、さらには常に話題を振りまく大阪ハードコア『SMDcrew』の首領として、精力的にキープフレッシュかつバックトゥザルーツな活動を続けるEX-Cからニューミニアルバムが到着。前作の1st ALBUM『Dance in the Dark』でみられた、80~90’sのNYやBOSTONのメタリックでモッシーなハードコア、PUNK ROCKやOi~SKINHEDS、そしてオーセンティックなロックやメタルの要素などを抜群のセンスでキャッチーにまとめ上げた剛腕はそのままに、今作では(ドクターマーチンを履いての)フロアストンプ感や、一筋縄ではいかないギターのリフワーク、コーラスエフェクトのかかった音色のリード、さらにタフになったコーラスワークなど、ある種では古きよきNYHCの王道ともいえる質感をさらに分厚く盛り込んだ。

4曲目にはなんと、元オリックスバッファローズ4番の李大浩(イデホ)の応援歌フレーズをメインリフに据えるなど、大阪のバンドならではの遊び心や仕掛けもほどこされており、7曲というパッケージながら充分なボリュームを感じさせてくれる。MADBALLやBIOHAZARDといったNYの代表的なバンドはもちろん、DISTRICT 9、CROWN OF THORNZといった僅かに脇道へそれた玄人好みのバンド、さらにはBAD RELIGIONのような男臭いメロディックなパンクロックのバンドにも通じるような感触があり、進化と円熟味を同時に感じさせるオリジナリティ溢れる内容の仕上がりとなった。

バラエティに富んだ各曲はそれぞれにテーマがあり、仲間や日常、昨今ではSMDcrewのテーマにもなっている老害などに対して、追われるハードな日々の中で感じる葛藤や矛盾といった、誰しにも響くであろう普遍的で身近なトピックが並ぶ。ただ、前述した李大浩の件も単なるジョーク的な要素で入れているわけではなく、4番という立場でありながらチームバッティングに徹する彼の献身的なスタイルにリスペクトを込めた内容になっているなど、仲間を思いやる気持ちやウソ臭い付き合いを拒む姿勢、楽しくFUNでありながら締めるところは締めるといった、バンドのスタイルが歌詞の内容からも感じられる。ジャケットはEX-CのMVなども手掛ける、同じSMDcrewのDAIKI55が担当。大航海時代の地図や、宝探しに海賊、または西部劇といったイメージを想起させるような埃クサく渋いイメージに、EX-Cはもちろんのこと、クルーの人間や周りのバンドなどをモチーフにした様々なアートがしきつめられたブックレットも必見。自他ともに認める傑作がここに完成した。

1. MIDNIGHT THINKING
2. MADNESS
3. STILL
4. LIVING DEAD HARDCORE
5. RE:START
6. HECTIC
7. KILLING ME SOFTLY

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