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2022年。パンクやハードコアの世界もいつの間にか政治家みたいなペテンに溢れている。算盤弾いてばかりのみっともない奴ら。
そんな奴らがこの音源を聴き、必死に自分のポジションや立ち振る舞いを考える様を想像するとニヤニヤします。
ハードコアって何だ!?パンクって何だ!?
少なくとも暖かい布団の中や、コンサートみたいなライブの中に答えはないと思う次第。
どんな時でも歩み続けた日本のハードコアパンクの現在進行形がこの音源です。
真っ直ぐ聴けるのか、試してみて下さい。
THE DISASTER POINTS / Yasumasa Okise
陳腐な言葉になるが、これは間違いなく国内最高峰スプリットだ。でもこれが真実。誰も文句は言えないし言わせない。ホンモノ100%のファイトミュージックだバカヤロウ!
BEYOND HATE / TOK288
先週。九狼吽のシンガーMuneからメッセージと共に新作が届いた。 〈Fighting Our Upsets〉京都のKiMとのカップリングCD。
それから今日まで、朝、働きに出ていく道中、夜、帰宅するために街を抜ける電車の中、おれは人のなかでこの作品を聴き続けている。
一曲目。「人を殺す正義がある!?」
Muneは教えてくれた。「ウクライナの仲間が戦死し、その凄まじい憤りのなかで出来た悲しい曲。8割出来てた歌詞を消し、怒り、憤り、悲しをみ込めて書き直した反戦の曲」だと。
おれはずっと考えてる。
Mune はきっと友を亡くしたことで、この戦争が自分の戦争になった。そんな彼の歌が放つものをおれはどう受け止めよう。彼は歌詞のなかでこうも書いている。「爆弾で死んだ父親の代わり、いったい誰がやる!?」と。
毎日毎晩ニュースで戦争を見る、この戦争でもまた子供たちが犠牲者になり、殺され犯されている。おれも父親だ、それがもしもおれの子で、おれがあの国のどちらかにいたら?おれは絶対に復讐する。間違いか?
殺す側にも殺される側にも愛するものがある。
その結果がこれか?また殺戮しあうのか?人間の愚行の最たるもの、戦争。
この曲をイヤホンで聴きながら、昨日と変わらない街を歩くとき、この国の有り難くも寝ぼけた嘘でしかない平和の群れの一人に自分を見つけるとき、そのことは、正直おれを滅入らせている。そしてもう一度頭から聴く。
九狼吽のリズムは、おれに沈むことを許さない。「起きろ、立て。このままでいいのか」とおれに言う。
もう一曲、「愛/嫌悪」。これは今こそ歌われなければならない、作品中のもうひとつの名曲だと思う。
「ハードコアとは、PUNKとはなんだ?/俺達のパンクが汚されていく/クズの馴れ合い!/そんなんじゃねえ!」
MUNEの歌詞はいまのこの日本のPUNKに、そこに生きるおれに、彼の目に映る事実を突き付けてくる。おれは歌詞を読み、にやりとし、唾を吐いた。
楽曲も素晴らしい。
九狼吽の独自のハードコアパンクとロックンロールの混ざりあう感触から、さらに純粋に「日本のハードコアパンク」のスタイルを突き詰めた感じがする。
「昔の自分に見せれるか!?/嘘をつくな!!!原点へ帰れ!俺達のハードコア」
PUNKバンドをやっているという人間なら、この一曲を聴くだけでも、この作品を手にする価値があると思う。
そして。作品後攻は、京都のKiM。
おれは昔から名前を聞き、壁のフライヤーで目にしてきたが、実際にはまだ共演できていない。だいぶ前のある時に、信頼する京都の古い仲間におれは訊いたことがある。
「KiMって知っとる?名前がワルくて、気になるんよな」
「一緒にやったよ。カッコいいね」
今回、この作品でおれは初めて音と歌詞に触れた。一曲目の「5648KK」、最初の一発目の出音から、殴り付けるように始まる。
「Good night 僕ちゃん /殺る殺る言うだけなら黙れ殺る言う時にはもう殺っとるわ」
「泣いてる人のすぐ横で/携帯弄ってニヤけとるオマエはちょっと狂っとるわ」
三曲目、「ぐれっぱなしの狼」。
「こんな世の中/ぐれっぱなしの狼/死神さえもタメ息/暗い時代/それでもな、狼やったら愚痴るなよ/死神だろうがタメ口/とるに足らない良くある話」
こんな歌詞の端々におれは勝手に感じている。下がるうしろを絶った者の覚悟。開き直り。そうなるまでに、人生がひとりの人間に教えたこと。だからこそ知る弱者への優しさ。それが
KiMの歌の中にある。おれのためにある。
おれは KiMの歌に安心して、こころの警戒心を解いた。力を抜き、言葉を浴び始め、音を浴び始める。
いつか会えて話をするなら、KiMが京都の街で
餓鬼の頃からどんな風に今日へきたのか、知りたいと思った。
惡AI意 / 小出忠臣
この音源を聴いて
言葉を紡げば紡ぐ程
何を書いても安っぽく思えて
何を書いても嘘くさく感じてしまって
何も書けない
何も言えない
ここに収録されてる6曲が
もう全部言葉で語ってる
もう全部音で刻んでる
全部生き様で示してる
とにかく黙って聴けばいい
本当にそれだけ
心底奮い立ちました。
PALM / 高橋俊彦
思春期。アダルトビデオを見るかのように、親に隠れてパンクロックを聴いた。歌詞に内包されたエネルギーがあまりにも赤裸々だったから。たぶん恥ずかしかったんだと思う、自分の心の中を見せているようで。
しかし友達にはワザワザ大きい音で聴かせた。「どうだカッコいいだろ」という気持ちがあったから。
でも大人になるにつれ、そういう気持ちを必要としなくなった。いつしかそれが当たり前になった。
しかし今回のスプリットは違った。二万電圧のドリンクカウンター。爆音で鳴らすCD。見知らぬお客様から「これ誰?」という言葉。「このアルバムは名古屋の九狼吽と京都のKiMのスプリットで…」久々に思春期の自分に戻った。
どうだカッコいいだろ。これがハードコアだぜ!
東高円寺二万電圧店長, KISSSSAKI / ISHI
今この瞬間に、平和ボケした私達日本人の身近に、戦争が迫っている。
そんなご時世には、それを忘れさせる力を持った音楽が力を増す。それは、多くの人の心理であって、それも必要だと私は思います。コロナで私達が体験した、360度どこを見回しても絶望。よりはマシだから。
でもそれとは違った対極の音楽がある。
同じ日本で。
目を背けずに現実を直視して、より戦地で家族を失った者の心に近い、怒り、悲しみのこもった
言葉と叫び。
ムネ君といつも話している事。直近で話した事。
このままじゃマズいって事。その内容と気持ちが、この3曲に入っています。私はシンパシーを感じました。九狼吽のメンバーはもちろん、直接話す機会のない方でも、近いシンパシーを感じる事が出来ると思います。
KiMの3曲も歌詞を見ながらじっくり聴きました。
近いシンパシーを感じました。
胸騒ぎと目が醒めるような感覚です。
それは多分、日本で生きていては体験する機会の少ない、生きるか死ぬか?という世界を生きる獣のような立場を経験した人間の感覚です。
ご自分の中にある本能を、たまには探して垣間見るのも、良いかと思います。
blackmeans代表 / 小松雄二郎
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