MERAUDERのジョージに名付けられた、ギャングの中でも特にキレた奴のことをBALL BUSTERというんだって』 FRONT OF UNIONを創世記から支える京都ハードコアの最終兵器【BALL BUSTERS】のルーツと秘密に迫るインタビュー

BALL BUSTERS アーティスト写真

KiMと共にFRONT OF UNIONを創成期から支え続ける京都のハードコアバンド。これまでミニアルバムや各種コンピレーションへ参加、そして地元京都にて自主企画「SMELL THE COFFEE」を長らく主催し、各地方から様々なジャンルの実力派アーティストを招聘するなど着実に活動を続けている。しかし以前よりメンバーの都合などで他府県への遠征やライブ活動の本数が限られており、時に「京都の最終兵器」や「最強の隠し球」「裏ボス」と称される実力、その秘密めいたベールなどによって、知る人ぞ知る存在となっていたのも確かだ。NYHCや初期パンクなどを基調にしつつも、ブラックミュージックやサイケデリックでアシッドな感触をふんだんに取り入れた、正に唯一無二といえる個性的な楽曲には目を見張るものがあり、雑に散らばってしまいそうなジャンルをまとめ上げる、界隈随一ともいわれる確かな演奏力も大きな武器となっている。今回のコンピでも恐らく多くの方が驚くであろう、その豊かな音楽性のバックボーンや秘密に迫ってみた。


①今回のコンピ、収録曲について

Vo. Jr.(以下 J) :BROKEN DOWNって曲とLonely Soldierって曲を収録したんやけど、BROKEN DOWNは結成してすぐに作ったデモテープに入ってる曲で、少しアレンジして歌詞も日本語に変えて今もライブでよく演奏してる曲やし今回録り直しました。Lonely Soldierは音源にするのは初めてやけど、この曲もライブでずっと演奏してるからどちらも録りはスムーズに進みました。でもレコーディング経験が少ないからMIX作業に手間取りましたね。

②これまでのバンド沿革について

J:2000年頃〜2003年までギターのサトちゃんとON THE DLっていうツインボーカルのハードコアバンドをやっていて、それはNYHCに影響を受けてやり始めたバンドやったんやけど、自分がやりたい事を表現できないっていうのと、もう一人のボーカルとソリが合わないっていうので、サトちゃんを誘って脱退して直ぐにBALL BUSTERSを結成しました。それから1年くらいでベースが抜けてビートルが加入、その1年後くらいにドラムが抜けてコヤジが加入しました。ちなみに初代ベースのエンは後にKLAXIONの結成メンバーになって、初代ドラムのリョウは同時にTIME HAZ COMEでも叩いてた。ビートルもコヤジも、当時同じ大学やったリョウが連れてきてくれたメンバーです。だから今のメンバーになって約14年くらいメンバーチェンジなしやから、それが演奏面なんかでも大きく影響してるんじゃないかなと…それ以降の活動内容なんかはFRONT OF UNIONのホームページをチェックしてくださいませ。

BALL BUSTERS ライブ写真 ボーカル

③バンド名の由来について

J:当時NYによく遊びに行っていて、向こうでMERAUDERのVo.ジョージと知り合うキッカケが出来たんやけど、それ以来遊びに行く度に家に泊めさせてくれて。

それが丁度BALL BUSTERSをスタートさせる前で、新しいバンドを始めるっていう話をしていたら、ジョージがバンド名をつけてやるって言い出したのがキッカケです。まぁ多分ジョージはもう忘れてるかもしらんけど(笑)それでジョージがBALL BUSTERSでいこうと。スラングというか、ジョージの中ではギャングの中でも「特にキレた奴」のことをBALL BUSTERって言うてるらしく、そこからつけてくれました。

そこから数年後ジョージはジョージで別ユニットっていうのかな、BALLBUSTAZって名前で音源出してたけどね(笑)そやしジョージは当時BALL BUSTERSってスペルで書いてくれてたけど、本当はBALLBUSTAZやったんかもしれんね(笑)

④バンドに影響を与えるキッカケとなったアーティストその他を教えて下さい

Ba. BEATLE(以下 B):minor threatは個人的にも影響受けてますね。もちろんバンドとしても。ベーシストとしてはジョージクリントン系のファンクの影響が強いと思う。ロックなフィーリングはやっぱりジミヘンですかね。

Dr. KOYAZI(以下 K):レッチリ、NOFX。直接影響があったわけじゃないですが、ファンク的なノリやリズム隊のグルーヴの面ではレッチリの影響が大きいと思います。

Gt. SATO(以下 S):ブランキージェットシティ。BALL BUSTERSを始めた時はロックンロール寄りのことをしようとしていたので、ブランキーの存在は案外大きかったのかなと思います。

J:アグノスティックフロント、ブレイクダウン、マーフィーズロウ、バッドブレインズ、トークンエントリーetcのハードコアパンク。メンバーそれぞれのバックボーンがBALL BUSTERSの音に反映されてて、それを上手く融合してるというか、型にはまる事なく好きにやってます。

⑤日本語と英語をMIXしたボーカルラインがとてもユニークですが、意識していることやボーカリストなどはいますか

J:デモテープは全部英語で歌ってたんやけど英語が下手過ぎるなと…。あと自分で書いた歌詞をサトちゃんに英語にしてもらって、それを曲に乗せるんやけど上手く乗らんし、自分で書いた歌詞の意味も忘れるし。そうなると感情も入らんしで、すぐに日本語で歌う様になりました。当時周りで日本語で歌うハードコアバンドは少なかったけど、元々日本のパンクロックも大好きやし、日本語で歌う事への抵抗もなかったから。意識してることは自分が気持ちよく歌えるか。それだけです。かっこいいと思うボーカリストとか影響を受けたボーカリストは海外、国内含めてたくさんいるけど、自分がマイクを持つ上でそこを意識することはないです。

⑥ギターのサトちゃんはライブでの硬質な音作りやエフェクターを駆使したプレイなど、豊かなバックボーンや強いこだわりがあるように思いますが、個人的なルーツや影響を与えたアーティストを教えて下さい

S:個人的なルーツとしては小さい頃バイオリンを習っていました。壁に小判をたくさん飾ってる貫禄のある黒人の先生の家で、カセットテープの伴奏にのせて毎週とにかくバイオリンを弾いてました。
その後ニルヴァーナが好きになってエレキギターをはじめたから、カート・コバーンには影響を受けました。

ball bustres ギター ライブ写真
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