⑦リズム隊が異常なほどグルーヴィーだと思います。プレイで意識していることやルーツなど教えて下さい

B:グルーヴってノリの揺らぎの一体感だと思ってるので、みんなカッチリ演奏する=グルーヴがある、では無いと。リズムに関しては、サトちゃんは感覚的で、コヤジは理論的。それでリズムの揺らぎが生まれるんですけど、その揺らぎが悪い方向に行かないように調整してるイメージですね。あと即興でのjamをほぼ毎回の練習でやっているので、その場で互いのグルーヴのイメージを共有することに慣れてるってことも、グルーヴに繋がってるんじゃないかなと思います。

K:僕はバスドラのドライブ感とスネアの間の取り方を意識して叩いていますね。ニルヴァーナ時代のデイヴ・グロールとか、レッチリのチャド・スミスのような、立体的でグルーヴ感のあるリズムを叩くドラマーが好きなので。疾走系のリズムはNOFXの影響を一番受けていますね。

S:気づいたらレッチリ的な事をしてる時があるね。

⑧FRONT OF UNIONというレーベルについて色々と語ってください

J:FRONT OF UNIONに入るきっかけは、俺らのデモテープをエガさん(KiM)が古谷さん(元WHOOPEE’S、現OCTAVE店長)から受け取ったのが始まりです。古谷さんが会わせたい人がいるっていうので紹介されたのがエガさんで。KiMの存在はもちろん知ってたけど、当時は接点もなければ面識もなくて、初めて出会った時はどえらいチンピラが来たで〜って思ったな(笑)もう14、5年も前のことやけどはっきりと覚えてます。でも話していくうちに、エガさんの人間性とハードコアパンクに対する情熱とか、とにかくバンドに対してすごい熱い人で、そういう部分に引き込まれていって。それでエガさんの、俺らは俺らで京都のシーンを熱くしてやろうっていう所からFRONT OF UNIONとしてのBALL BUSTERSが始まった感じです。最初はKiMとBALL BUSTERSだけやったFRONT OF UNIONやけど、今は関西を代表するハードコアパンクレーベルやと思ってるよ。

⑨京都のハードコアについて非常に独特な距離感で接されてきたと思いますが、意識していることなどありますか

B:難しい質問ですね…。特に距離を置こうとしているわけではなくて、鈍感というか無頓着というか、打ち上げが苦手というか…。

J:基本的に人付き合いが下手というか、そういう所は本当に無頓着なんやと思います。メンバー全員。ただ20代の頃は若さで尖ってた部分とか、我を出し過ぎてたりとかで当時の周りのノリに勝手に苦手意識を持ってたんもあった。だから無意識のうちに壁を作ってた部分もあったかもしれんな。そんな時に京都のハードコアシーンの中で、孤高の存在で活動してたKiMの皆んなと出会って交流を深めていくうちに、当時盛り上がっていた京都のハードコアシーンよりも肌が合うというか居心地がいいというか。だから意図的に距離を置くというよりも、自然な距離感になった気がします。

⑩自主企画などホーム的なライブハウスとして活動しているソクラテスについて教えて下さい

S:色んな意味でライブがしやすいです。例えばステージが低くてお客さんとほとんど同じ目線になるので臨場感があるし、ステージから落っこちる心配もない。演奏中モニターもしやすい。それにキャパシティもちょうどいいような気がするし。それと何と言っても植田さんのキャラクターが魅力的なのでいつも楽しいです。

K:植田さんライブが盛り上がってくるとフロアに爆竹を投げ入れたりするし(笑)

J:ソクラテスは本当にいいライブハウスやね。WHOOPEE’Sがなくなってからずっと自主企画で使わせてもらってるんやけど、一番落ち着くライブハウスです。

ball busters ベース ライブ写真

⑪毎回少数精鋭ながらも幅広く面白みのある企画を主催されてますが、こだわりや意図など教えて下さい

J:SMELL THE COFFEEってタイトルでやってて、基本的にゲストは3〜4バンドで組んでやってます。意図としては、一回のイベントで4〜5バンドくらいが丁度いいというか、遊びに来てくれるお客さんにはできるだけ全バンドしっかりと見て欲しいなっていう気持ちからです。出演バンドが多いとどうしても見ないバンドが出てきたり、見てる側の集中力が途切れたりすると思うんで。

K:チケットも最初からずっと1000円でやっているんですが、これは少しでも遊びに来やすくっていうのと、チケットが安い分いつもより1杯でも多くお酒を飲んでもらってソクラテスに還元しようって気持ちで。

S:毎回Jrさんか僕がフライヤーのデザインをしているんですが、同じイベントなのに回によって全然カラーが違う、けれど特に誰に指摘されることもなく普通にそれを続けている点が面白いと思ってます。

B:毎回イベントのカラーは全然違うけど、雰囲気というか空気感は毎回必ずSMELL THE COFFEEの空気になってるところも面白いですね。

⑫ボーカルのJr.氏は(KONEくんと)兄弟としても強い存在感を放っていますが、これまでのルーツに伴ったお兄さんのことや、兄弟ならではの面白いエピソードなどあれば教えて下さい

J:兄貴とは4歳違いなんやけど、中学生の時からずっと音楽の影響を受けてきました。最初はスタークラブとかライダーズとかストラマーズとか日本のパンクロックを色々教えてもらって、高校生の時にNYHCとか日本のハードコアを教えてもらって…他にもOi、SKINSとかHIPHOPなんかもそう。兄貴が聴いていた音楽全てが10〜20代前半の自分に染み付いていった感じで。音楽だけじゃなく刺青とか服とかもそうなんやけど。そんな色々と影響を受けた兄貴に、20歳のとき初めてNYに連れて行ってもらったんやけど、兄貴は何回も遊びに行ってたから分からんところは任せといたらいいわって思っててん。そしたらJFKに着いていきなりシロタクに引っかかって(笑)兄貴が大丈夫や言うてるし何の疑いもなく乗ったんやけど、俺は車中で「地球の歩き方」で読んだイエローキャブと全然違うけど大丈夫かな〜とか思っててん。でも運転手が何か話しかけてきたら兄貴がめっちゃ笑顔で、オッケー!オッケー!とか言うてるし安心してたんよね。じゃあマンハッタンに着いた途端に法外な運賃を請求されて(笑)さすがに兄貴もこれはマズイと思ったんか、アイ ハブ 13ドル オンリー!とか言い出したし、俺も真似して13ドルオンリーって言うたら運転手がめちゃキレて、お前らは日本からNYに遊びに来るのに13ドルしか持ってきてないんか!みたいな事言いだして、2人揃ってイエス!言うたら、クレイジージャパニーズ!とか言いながら、トランクに入れてたスーツケースをマンハッタンの街中で放り投げられたな(笑)面白エピソードは尽きひんよ。

ライブ写真 肩車

⑬ジャンル問わず、今注目しているバンドやアーティスト

K:昔から色んなジャンルの混ざった系統の音楽が好きで、最近はSnarky Puppyを良く聴いています。あとはドラム&ギターというシンプルな編成のBlack Keysとか。

B:星野源。

S:知り合いがちょっと前に始めていたikkakuというバンドのギターがおもしろい音を出していて、どうやっているのかなと思いました。

J:一緒にスプリットも作った岐阜のWORM。WORMは京都のRETORTION TERRORとスプリットを製作中で、先日音源を少し聴かせてもらったんやけど、両者ともにブッ飛びました。本当にヤバい作品になること間違いナシで完成が楽しみです。

⑭ハードコアやパンクといった音楽や、いまの活動を取り巻く環境などに思うことや言いたいことなど

J:大まかな事はよく分からへんけど、京都のシーンでいうと一昔前よりも確実に各バンドの繋がりが広がったんじゃないかなって思う。元々京都のアンダーグラウンドのシーンって、同じ様なジャンルでももっと細分化されてた印象やったんやけど、時代の流れなのか、シーンに対する危機感からなのか、今は皆んなで京都を盛り上げていこうって意識が感じとれる。そこを繋げているのがエガさんであったり、エロリンであったり…。それはハードコアやパンクだけじゃなく、京都のアンダーグラウンドシーンに言えることやと思う。

B:Jrさんがいうように、時代の流れなのか、よりボーダレスになっていってる印象がありますね。それが各バンドの立ち位置や方向性に影響を与えてると思います。

今後の活動について

K:僕が名古屋で仕事をしている関係でなかなか頻繁に活動ができていませんが、このメンバーでできる音楽が好きなので、できる事からしっかりとやっていきたいです。あとはもっとレコーディングをしたいです。

J:レコーディングもそうなんやけど、先ずは今回のオムニバスF.O.U RULESのツアーで、俺らの事を知らない人達にしっかりとアピールしたいです。それと自主企画のSMELL THE COFFEEの回数が年々減ってきているので、こちらにも力を入れていきたいです。


BALL BUSTERS

ball busters ボーカル ライブ写真
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