欽也氏(bacho)江頭(KiM)サシ呑み対談

今回サシ飲み対談第四弾として、bachoのボーカル北畑欽也氏を迎え、
次回作のアルバムやMANPOWERの事、これからの展望や、
8月21、22日に開催される武骨夜@京都MUSEについての話などを収録。

※今回の収録日は、2020年3月27日での会話になっております。

江頭
まあとりあえず、コロナの話で始めるか(笑)

欽也
最近、この話ばっかりになるんで疲れてきました(苦笑)

江頭
大分、疲れ溜まってきて、このしんどさは、、、もしかしてって考えてまうわな(笑)

欽也
気だけはしっかり持っておかないとですね！

江頭
此処からとりあえず仕切り直しで。
元々bachoとの出会いって、俺の中ではHOKAGE(心斎橋アメリカ村ライブハウス)で、TOSHI君(palm ボーカル)に、紹介してもうたイメージなんやけど。鉄平(FIVE NO RISK ボーカル)が、絶対俺やって言い張りよるねん。

欽也
よくそれで2人、けんかしてます。

江頭
鉄平に紹介されて、初めましてってなるんほぼ無いねんなあ。最近になって広島のアスファルトを紹介してきよったしな。お前がバンドを始める前から知っとるわ。KiMが他県と仲良くなったんて広島のバンドやから。

一同笑

欽也
鉄平さんは紹介したがりますよね。
僕はそのおかげで知り合ったバンド、結構いるんで。夜中、打ち上げでしょうね、電話掛けてくるんですよ。半分ぐらいしか出ないんですけど。でもそうやって色んな人にbachoを広めてくれたんもあるから江頭さんとも、こうやって話せる様になったんで、感謝しかないっす。大阪のハードコアやパンクバンド紹介してもらったのは、バンドにとっても大きいです。

江頭
欽也は鉄平に優しい派やからな(笑)
俺も大分、優しい派やけど

欽也
今の自分があるのは、鉄平さんのおかげじゃないのかって位には思いますね。それを帳消しにする、ど派手な事をやらかす時もありますけど。

江頭
まあそんなは破天荒な奴も居ていいと思うねん。ああいう奴が居らんと面白くないしな。鉄平のおかげでKiMは恩恵受けてるしなあ。あいつが騒ぐ、俺フォローに入る、どんどんKiMええ人になっていく。

一同笑

江頭
この図式が10年続いたら、新しく出会う人達は、KiMが善人になってるねんな。

欽也
僕もそう思ってます。
鉄平さんは江頭さんの事あんなんただのチンピラやでって言ってましたけど。昔は違ったんですか？

江頭
揉めたがりな所はあったかも(笑)
常に何かあったら噛み付いたろうって思いながら演ってたし、変なトラブルが起きるって感じ。まあー僻みやな。

一同笑

江頭
昔は僻み根性で怒る事があってん。
90年代ハードコアムーブメントがあった時に、ベイサイドジェニー(大阪南港にあったライブハウス)が1000人満員、俺らはギルド(梅田にあったライブハウス)でお客10人、同じ週末にハードコアのライブでこんな差があるんかって拗ねてたわー

一同笑

江頭
当時で言えばT.J.MAXXやん。
会った事も無いのに、ちょっと殺意持ってたもんな(笑)なんかサービスエリアで会ってめっちゃ睨んでたもんなあ。こっちにしたらビデオとかで見て知ってたけど、向こうにしたら全然知らんバンドマン風なヤツが睨んでるし、誰誰ー怖い怖いやったと思うで。
凄い目で睨んでたと思うわ。

一同笑

江頭
今はでも遠征に行くバンド、行かへんバンドがはっきりして来たよなあ。

欽也
平日にやりづらくなってきましたもん。こっちが行きたいって言っても、相手が出来れば週末にして欲しいってなるんで。昔みたいに週頭からツアーに出るのは難しくなりましたね。

江頭
土日でツアーってのが増えたもんな。
外に行くバンドが減ったのはそれもあるやろなあ。

欽也
それもあってか、いろんな街に行かなくなってると思うんすよ。何も知らなかった謎の町とか。

江頭
俺らも行ったで。謎って言ったらあれやけどな。兵庫で言うと神戸行ったんてかなり後の方やしな。まず加古川、西脇、姫路、加東、んで神戸やったからな。

欽也
その辺りは、バンド好きな人が多かったですね。昔、姫路のマッシュルーム(ライブハウス)で働いてた時、人数が多い訳では無いんやけど、盛り上がってましたね。

江頭
県庁所在地的な人口比率じゃなくライブの盛り上がりは別物やもんな。初めて行った加東市でのライブは、めゃくちゃ盛り上がったもんなあ。

欽也
丹波のラッソンってライブハウスに初めて行った時、田んぼの真ん中の倉庫でここに人が来るんかなあと思ってたら、始まる時間位になったら軽トラ乗って鋲ジャン着た人が集まってきて興奮しました。

江頭
そういう熱量がある町に行けるんが、ツアーの醍醐味やねんなあー。
最近で言ったら山形の新庄が良かったわ。D.N.Kってバンドがいるんやけど、山間の街でスキーシーズンには人は増えるんやろうけど、とにかく自分等で全部D.I.Yでライブハウス作ったりBAR作ったりタトゥースタジオ作ったりしながらやっとんねん。高校生とか若い子らが俺らのライブにも遊びに来るねんな。沖瀬(THE DISASTER POINTS ボーカル)に聞いたら、前に来てた高校生が2回目行ったら対バンなったって言うてたしなあ。

欽也
そういうのいいですねぇ。めっちゃ嬉しくなります。

江頭
繋がってるやん。分かりやすく未来と過去と現在とが。
リアリティーがあるから又、行きたいなあになるねんな。大きい街って、その日その日で完結してしもて、物語が繋がらへん事の方があったりもするから、演るからには物語を繋げて行きたいねんな。

欽也
いつも色々悩むんですけど、自分がこの町にどう貢献できるかって。
僕なら姫路、江頭さんなら京都って形。俺は姫路の為に何かやりたいって気持ちはあるんですけど、自分の中で余裕があまりなくて、もっと色んな場所に飛び出して行って、演ってるのが、いつかその為になるんちゃうかなって思うんですけど。それが自分の中の納得方法なんですけど、難しいっすね。

江頭
でも、俺の仲良い奴らも認めてるで。bachoが居てくれてるんが、姫路シーンの下支えになってるって。

欽也
そうなってたら嬉しいんですけど。

江頭
KiMとbachoは方法論は違うし、皆が皆同じ方法論ってのは、つまらんねんな。フロントオブユニオンに居るバンドも、全部方法論違う。近いのも、遠い考えもある。その方が刺激があって俺はいいねん。日本全土がフィールド(地元)って意識でもいい訳やし。

欽也
ツアー行く時に、KiMやBEYOND HATEみたいな地元に根差したバンドと関わり無いの嫌なんですよ。だから呼んで貰った時には、しっかりしたものを見せれたらと思います。
繋がりは持ちたいんですけど、ライブ以外で表現するのが苦手なんで。
自分は多分、音楽を深く辿ってきた訳じゃないので。好きなのだけ聴いてきて、後はライブで色んなもの見てええなあと思ったりして。地元って言う太い芯みたいなんが無くてライブで認められるんが自分の自信になるって言うか。

江頭
まあ遠征先でのローカルスター的なバンドと打ち当たりたいよな。

欽也
街のバリバリやってるバンドとやりたいです。

江頭
ハードコアやと、しがらみとか結構あるし揉めたりもするけど、ライブやった後はなんか打ち解けたりもする訳やし。音楽って凄いなと思うわ。

欽也
それこそ中学の番長同士の喧嘩みたいな感じですね(笑)
喧嘩後にアイツは話が分かるみたいな。僕はそういう街を背負ってという形は憧れはあるんですけどそれは俺はちょっと違うかな。

江頭
俺らは街とかコミュニティーとかを背負いたがる方なだけで、背負ってるもんで言ったら、自分らが作ってる音楽やしね。それを待ってくれてる人たちも背負ってるわけやから。背負うもんがあるって言うことに関しては同じ。
俺らはそういう遊びが好きなだけで、本来、純粋な音楽って街とか関係ない、ただ来てくれてる人達をどう喜ばすだけかやって事やと思う。
まあ俺はそういう街を背負ってみたいなんも好きやって話やねん。
そやしbachoは純粋やねん。マンパワー組(FIVE NO RISK,bacho,palm,waterweed)にもそれは感じんねんな。

欽也
自分の音楽を自信を持ってやる事で、そういう人たちと話できたりするのが、自分のやりたい事ができてるって思うんですよ。
マンパワーは個々に気を使ってる部分もありますけど、多少問題があったとしても、4バンドでやってる事なんで心強いです。

江頭
仲間同士のルールなわけやからなあ。
フロントオブユニオンも一緒な部分はあんで。特に鉄平ばっかりやけど、鉄平が起こしたトラブルは皆んなで共用するし、鉄平から開いて行く事もあったから、それも全部含めて行動を共にするんやしね。まあフロントオブユニオンはアホしかおらへんから

一同笑

欽也
鉄平さんはやっぱり俺はフォローしたいですね(笑)

江頭
鉄平の起こすトラブルってのは、全てとは言わへんけど、95%はそこから始まる突破口みたいなもんやと思ってる。そやし周りがざわつくんやと思う。鉄平が行動することで俺らは考える、そして行動もするって形になってるから。結果としてメリットしかないからな。自分らの好きな事で、自分らが貫きたい事を純粋にやる、それを外野や周りのしがらみで止めてほしくもないし、誰かの意見だけでやめて欲しくもないねんな。
この社会で生きてたらさぁ、頭も下げなあかん時もありゃ、バランスとらなあかん時もある、けどこれは俺らが唯一大切な音楽やのに、音楽で誰かに退くとか誰かに頭下げるとかはせんでもいい。そこは真っ向勝負で一点突破やってね。

欽也
まぁ行き過ぎてただの暴力の時もありますけどね(笑)基本的にいつも本気なんですよね。僕が悪いんですけど、打ち上げの時に、鉄平さんを茶化して脇腹を思いっきり蹴られたんすよ。
僕も酔ってたんでその時は記憶が曖昧だったんですけど、次の日ツアーで東京に移動してた時に、車で目が覚めたら体が激痛で起こせなかったんですよ。声も出えへんし、もしかしたらライブできひんかもって位激痛で。
高速途中で降りて薬局寄ってくれって言って、湿布とか薬とか買って対応してたんすけど、全然回復せんから。メンバーがどんだけ本気で蹴られてんってなってた時にでも、半泣きになりながら鉄平さんのことを悪く言わんといて言うてましたら。

一同笑

江頭
凄いなあーその状況でよく言えたなあ(笑)でもそれはただの暴力やからな。

一同笑

欽也
痛み止め結構飲んでも全然効かへんし、仕方ないんで鎮痛剤たくさんとビール飲んで本番のギリギリまで寝させてくれって言ってギリギリまで寝さしてもらって起きたら、アルコールと薬が効いたのか、体の感覚は何も無くなってました(笑)

江頭
そうやってドラックに嵌っていくねんな(笑)マイケル・ジャクソンと一緒やで

欽也
歌ったら、今まで出たことないぐらい声出ました。

一同笑

江頭
もしかしたら本人が出たって思ってるだけかも知れんけどな(笑)

欽也
そのかわり次の朝は本気で死にましたけどね(苦笑)

江頭
帳尻をつけなあかんもんな。人生と一緒で(笑)
マンパワーのあの4人は主力はボーカルで回してるやん、一番年下が大賀(waterweed)1番年上がTOSHI君やんな。バランスいいと思うよ。

欽也
大賀は酒飲まないし、TOSHI君もベロベロになったりしないじゃないですか
鉄平さんと僕は結構飲んじゃうんで。

江頭
でもこないだTOSHI君ベロベロになって、bachoの物販ひっくり返したんちゃうの(笑)

欽也
なんばhatchでのイベントで、bacho物販を床に落として、蹴りながらこんなもん誰が買うねんって暴言吐いてましたから、無茶苦茶でしたね(苦笑)

江頭
その話を鉄平から聞いてて、後日TOSHI君とライブ一緒やったから聞いたら、話大きくなってるって言うてたわ。ちょっと触っただけって言うてた(笑)鉄平は現場にいいひんかったし、いつもの如く俺を陥れようとしてるって言ってたけど、今日ようやく答え合わせできたわ(笑)

欽也
鉄平さんとTOSHI君は全然タイプ違いますけど、ベロベロになったらどちらも面倒くさいです。TOSHI君の方がしつこいですけど(笑)

江頭
鉄平のバンドでのスタートは、俺らに近い環境やったしTOSHI君はニュースクールの方に近い環境やから、そういう部分でも違いは出てくるんかもね。

欽也
鉄平さんは結構あっさり帰してくれるんですけど、TOSHI君は無理ですって言ってんのに無茶苦茶引っ張りますもん(笑)

江頭
俺にはそういう部分は絶対に見せへんねんなあーTOSHI君は。多分、歳上全員嫌いなんやで。

一同笑

江頭
対バン的には、FIVE NO RISKよりpalmの方が古いからなあ。確かKENTA(palm ドラム)が大学生やったかなあ。KENTAはRUNNER(大阪のバンド)もやってるやん。RUNNERの1回目のライブは俺らと一緒やったから。その当時俺がやってたBAR(BLOOM ALL)にその当時のメンバーと挨拶に来てくれてて、RUNNERって名前に決まる日も俺、居たからな。当時、KiMよりダサいバンド名が出てきたと思ってたけど(笑)
その時にはもうpalmは企画に呼んでくれたりしてたから。TOSHI君はニュースクール、USとかメタルだけでなく、ハードコアって呼ばれるものを全包囲網でやりたいって意識を持ってたみたいやね。
その当時、鉄平もいたけど多分FIVE NO RISKじゃあなくて、マサカリでサポートギター弾いてたりしてる時やったんちゃうかな。フロアで転げ回りながらギター弾いてて凄い奴やけど、友達にはならんやろなあと思てた(笑)

欽也
最初は僕ら元々、そのシーンにも関わって無かったし情報も無かったんですけど、HOKAGEに初めて出たのもFIVE NO RISKが呼んでくれたんが初めてでしたね。CLAPPER(アメ村ライブハウス)で対バンした時に声を掛けてもらったのがキッカケで。

江頭
じゃあ鉄平が言ってる俺の方が先に
bachoと出会ってるって言うのはあってるの？

欽也
でもTOSHI君も新神楽(アメ村ライブハウス)で働いてる時に喋った事あったんで、ほぼ一緒位やと思うんですけど。

江頭
濁すな(笑)

欽也
そのHOKAGEでのライブの打ち上げの最後帰り際に、アメ村で知らない人と喧嘩になって鉄平さんが捕まったんです。

江頭
罰金結構キツかったヤツやんな(笑)

欽也
この人たちこんな事、毎週やっとんかと思ってびっくりしました(苦笑)ライブとは別の所やし。殴った殴ってないは分からんすけど、喧嘩になった理屈は理解できたんで今でも一緒に演るんですけどね。

江頭
鉄平をトコトン擁護するねー付き合ってるん(笑)鉄平への愛しか伝わらへんわ。